シリコン上・超高速のカーボンナノチューブ発光素子開発に初めて成功
-化合物半導体に代わる超高速・チップ上・高集積光源へ期待-
ポイント
・シリコンチップ上での高集積光源は、現在の化合物半導体では実現困難であ
り、新材料による発光素子開発が望まれている
・超高速(1~10 Gbps)なシリコン上・高集積カーボンナノチューブ黒体放射発
光素子の開発に世界で初めて成功し、高速変調性の理論的な解明にも成功
・化合物半導体に代わる新たな材料系での発光素子となり、チップ上での光イン
ターコネクト、光・電子集積回路、分析装置等への応用が期待
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科の牧英之准教授らは、直径約1nmの微細な
一次元物質である単層カーボンナノチューブを用いて、ギガビット/秒で超高速
変調が可能なシリコン上・高集積発光素子開発に成功しました。
今回、新たな材料系としてカーボンナノチューブを利用することで、シリコン上
で小型の黒体放射発光素子の作製に成功するとともに、この発光素子が
1~10Gbps程度の高速の変調性を有していることを初めて明らかにしました。ま
た、実験と合わせて、この発光素子の高速変調性に関する理論構築にも成功しま
した。この成果は、化合物半導体に代わる新たな材料系での発光素子開発とその
高速・高集積の光技術への応用を示したものであり、光インターコネクトや光・
電子集積回路の実用化を推進することが期待されます。
本研究成果は、米国化学会発行の学術誌Nano Lettersオンライン版で公開されました。
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