世界へ!
「世界での活躍」が福澤精神の本旨であり慶應義塾の教員と学生のつとめです.その精神にもとづき, 物理情報工学科では教員・学生が一丸となって積極的に国際交流・進出につとめています.
物理情報工学科では,3年生のカリキュラムに他学科に先駆けて4学期(クォータ)制を導入しました. これにより第2学期(6月から8月)に海外の大学のサマーセッションや,海外での長期インターンシップに参加することが可能です. サマーセッションで取得した単位は,物理情報工学科の科目として単位を認定することができます(※). インターンシップは物理情報工学科の科目の一つの学外実習として扱われます.学部を卒業後,慶應と海外大学院のダブルディグリープログラムに進学する学生, 海外の有名大学大学院に進学する学生は多く,物理情報工学科のカリキュラムが世界に通用する証と言えるでしょう.
もちろん,慶應の大学院に進学し修士・博士課程在学中に短期・中期で海外の大学や研究機関に滞在する学生もいます. 国際会議で研究発表する学生の中には,学生優秀賞等を受賞する学生もおり,研究能力や発表技術の高さが世界でも評価されています.

さらに,慶應のキャンパスにいながら海外有名教授の授業やセミナーに参加する機会も豊富です.近年では,University of SevilleのJosé María Maestre Torreblanca先生やNorth Carolina State UniversityのAranya Chakrabortty先生などが短期滞在されました.日吉や矢上キャンパスで開催される国際シンポジウム等で口頭発表, ポスター発表する学生達も,海外研究者との議論や交流を楽しんでいます.
※ 認定には条件があります.
【留学経験者の先輩から在校生へのメッセージ】
小松夏実さん
(学部3年生で一年間交換留学を経験し,現在はアメリカのRice大学でPh.D.課程に在籍)

少しでも興味があるなら留学されることを強くおすすめします.物理情報工学科には留学を応援してくださる先生方が多く,加えて留学しても留年等不利益がないよう4学期制度などの制度を整えてくださっています.経済的に支援してくださる奨学金制度も慶應内外に多数存在します.また,学科の先輩で留学を経験されている方がたくさんおり,アドバイスを頂けることも強みです.
留学をいざされる際には,ぜひ「留学は手段でありゴールではない」ということを覚えていてください.留学に興味を持つきっかけ自体はなんとなくで構いませんが,留学により達成したい目標をはっきりさせておかなければ留学の意義は半減してしまいます.
留学を通じて得られたものは多数あるのですが,特に良かったと思えるものを3つご紹介します.
・研究力
クリティカルシンキング,論文の書き方,そしてプレゼンテーション法を徹底的に叩き込まれたのですが,これは今の研究にかなり活きていると感じます.これはアカデミアでなく企業に就職しても応用できるスキルではないでしょうか.
・Empathy
現在,様々な分野で国際化や多様化が進む中,他人の感情や経験などを理解する能力(empathy)の重要性が盛んに強調されています.しかしこの能力,マジョリティとして生活しているとなかなか培えません.留学をすると,必然的に自分がマイノリティになり,更に多様な価値観に取り囲まれるので,自分の物差しで物事を判断する危険性に気づきます.
・キャリアに対する考え方
留学を通じて出会えた方々のおかげで,自分が思っていたよりも多くの選択肢があることに気づけました.選択肢の増加に最初は戸惑いましたが,迷ったおかげで「自分はどの社会問題に貢献したいのか」という問いを多角的に検討できたことはとても良かったと思っています.
慶應大学院進学後の中長期滞在(近年の状況)
2018年9月 〜2020年3月 | ドイツミュンヘン工科大学(19期生, 修士1-2年時) |
2018年9月(3週間) | スイスCERN (18期生, 修士2年時) |
2018年9月(2週間) | スイスCERN (18期生, 修士2年時) |
2019年5月~8月(3ヶ月) 2018年6月(2週間) 2017年11月(2週間) 2016年5月~8月(3ヶ月) | ドイツUniversity of Greifswald (17期生, 修士からは博士課程まで4回の滞在) |
2019年8月(4週間) | ドイツFraunhofer HHIに研究滞在 (15期生, 博士課程3年時) |
2018年4月から2年間 | 米国 Massachusetts General Hospital / Harvard Medical School 共同研究滞在(16期生, 博士課程1-2年時) |
2017年1月~3月(3ヶ月) 2015年9~12月(4ヶ月) | スイスCERNドイツ マックスプランクプラズマ物理研究所 (14期生, 博士課程1, 3年時) |
2016年6月~(4ヶ月) 2014年5月~(4ヶ月) | スイスCERN(14期生, 修士課程2年時, 博士課程2年時) |
2015年9月~(7ヶ月) | フランスITER機構(14期生, 博士課程1年時) |
海外大学院への進学 合計35名以上(1999年度卒業生以降)
2019年度卒 (21期生) | 米国 UC Berkeley, Electrical Engineering and Computer Science |
2018年度卒 (20期生) | 米国 Stanford, Applied Physics |
2016年度卒 (18期生) | 米国 Rice, Electrical Engineering 米国 Carnegie Mellon, Engineering and Innovation Technology Management |
2015年度卒 (17期生) | 米国 Univ. of Michigan, Applied Physics Program |
2014年度卒 (16期生) | 米国 UC Davis, Electrical and Computer Engineering 米国 Georgia Tech., Electrical and Computer Engineering 米国 Duke, Electrical and Engineering 米国 University of Chicago, Institute for Molecular Engineering |
2013年度卒 (15期生) | 米国 Caltech, Applied Physics 米国 University of California San Diego, Mechanical and Aerospace Engineering |
2012年度卒 (14期生) | 米国 UC San Diego, Materials Science and Engineering 米国 Carnegie Mellon, Materials Science and Engineering 米国 Princeton, |
2011年度卒 (13期生) | 米国 UC Berkeley, Applied Science and Technology 米国 Caltech, Applied Physics and Materials Science |
2010年度卒 (12期生) | オランダ TU Delft, Applied Science |
2009年度卒 (11期生) | スウェーデン Lund Univ., Solid State Physics |
2008年度卒 (10期生) 2010年9月 修士修了 | 英国 Cambridge, Physics |
2008年度卒 (10期生) | 米国 MIT, Nuclear Science and Engineering |
2005年度卒 (7期生) | 米国 UC Berkeley, Electrical Engineering and Computer Science 米国 Stanford, Materials Engineering |
2004年度卒 (6期生) | 英国 Cambridge, 地球科学科 英国 Royal Holloway, University of London, Physics 米国 Harvard, Engineering and Applied Sciences |
2003年度卒 (5期生) | 米国 Univ. Washington, Mechanical Engineering 米国 UC Santa Barbara, Materials 米国 Northwestern, Electrical Engineering |
2002年度卒 (4期生) | 米国 Harvard, Engineering 米国 Columbia, Electrical Engineering 米国 UC San Diego |
2001年度卒 (3期生) | 米国 UC Berkeley, Materials Science and Engineering フィンランド Tampere University of Technology, 建築学部 |
1999年度卒 (1期生) | 米国 UC Santa Barbara, Physics スウェーデン Linkoping, Engineering 米国 Johns Hopkins, 医学部 米国 Florida State, Physics |