2000年度 本多研究室

構成

教授:
本多 敏
修士課程:
2年:武田 信治,蜷川 崇,森田 岳
1年:説田 崇
学部4年:
大川 晋平,小河 正一,工藤 慎太郎,下井 利彦,田沼 智宏,寺村 直道

研究概要

「逆問題とプロセストモグラフィ」

神経線維伝導速度分布の推定法,MEG(脳磁界)信号処理法など生体電気磁気現象の解析や逆問題解法の研究と,管内流速分布を電磁誘導信号処理により推定するプロセストモグラフィの研究を継続している.

「ウェーブレット変換を用いた単一試行誘発脳磁界信号処理」

誘発脳磁界計測では,多数回の刺激結果を加算平均することが必要となるが,MEGの高時間分解能という特性をいかすためには,個別の誘発脳磁界を検出することが望ましい.本来非定常な脳活動成分を雑音成分から分離するためにウェーブレット変換を,AEFデータ処理へ適用した。630回の加算平均データを本来の誘発脳磁界信号として,それをもとに作成した非定常フィルタにより,数回ごとの誘発信号成分を分離することができた。

「左右反転視野の順応過程における視覚・運動関連脳磁界の計測」

視野反転眼鏡を装着することにより得られる視野反転環への境順応のメカニズムについて 非侵襲で、かつ時空間分解能に優れた脳磁界計測(MEG)を20日間毎日行ない検討した。 視覚刺激と聴覚刺激による二つのサイモン課題を毎日交互に行った反転視野に関連する決定的な変化は確認できなかったが、課題結果において明らかに反転視野のせいと思われる変化が見られた。

「MEGによる口唇突出運動時の脳活動の同定とICAの適用」

口唇突出運動時の運動関連磁場の運動前の時間に着目することで、運動野での反応を解析しMRI画像上にMEGの機能画像を重畳することで、口唇を動かそうとするRFとMFでは両側脳半球の中心溝の前の第一次運動野(M1)に一致 しており、持続した前向きのダイポール活動を見ることができた。 また、独立成分解析 (ICA)によりMEGデータに対するノイズ除去の可能性を検討し、観測信号の中から着目するSEF成分を分離抽出することに成功した。

「末梢感覚神経における伝導速度分布の推定」

伝導距離を変えて記録した2つの複合活動電位波形と距離情報から最適なDCVおよび単一神経活動電位(SFAP)を逆問題的解法により推定する方法を考案した。 本法の有効性は健常被験者と糖尿病患者の結果を比較することにより確かめられた。その結果、実際に神経障害の症状や最大伝導速度に異常がない患者にお いてDCVの異常が確認された。

「Air-puff刺激における注意タスクのSEP/SEF」

MEGにおいてどの程度深部を測定できるかは重要な問題である。そこで脳幹部位に着目してAir-puff刺激におけるSEPとSEFにおいて脳幹反応が見られるかどうかを検討するとともに、注意タスクによる反応の違いを検討している。

発表論文・学会発表など

国際会議論文

  • S. Takeda, H. Endo, S. Honda, H. Weinberg and T. Takeda, “MEG recording for spatial S-R compatibility task under adaptation to right-left reversed vision”, Biomag2000
  • S. Yamada, H. Endo, S. Honda and T. Takeda, “Current density estimation for MEG analysis woth spatial filter”, Biomag2000
  • Y. Okajima, S. Honda and Y. Tomita, IN SITU ESTIMATION OF NERVE CONDUCTION VELOCITY DISTRIBUTION, IMEKOXVI
  • Y. Tomita, S. Honda and Y. Okajima, Influence of Body Temperature to Nerve Conduction Velocity, IMEKO XVI

口頭発表

  • 蜷川崇、本多敏、東野一隆、國弘幸伸、黒部雄史、春田康博 「独立成分解析の脳磁図への適用」 第3回ヒト脳機能マッピング学会抄録集、pp119 (Mar. 2001)
  • 森田 岳、岡島康友、本多 敏、富田 豊 「末梢神経伝導速度分布の推定」 計測自動制御学会第17回センシングフォーラム
  • 本多 敏、遠藤 博史 ウェーブレット変換を用いた単一試行誘発脳磁界信号処理 SICE2000(第39回計測自動制御学会学術講演会)

学位論文

博士論文(副査)

  • 岡村 敦,「ディジタルビームフォーミングアレーの測角信号処理における高速化と高分解能化」 (電気工学専攻)
  • Yoshihiro Muraoka, “Development of a New Electrical Stimulatuion System ad Its Therapeutic Application to Spastic Paralysis” (生体医工学専攻)

修士論文

  • 武田 信治, “MEG Measurement of Adaptation to Right-Left Reversed Vision
  • 蜷川 崇, “Identification of Brain Activity in MEG during Protruding the Lips Using ICA”
  • 森田 岳, “Estimation of Conduction Velocity Distribution of Sensory Nerve Fibers”

卒業論文

  • 大川 晋平 「Spatial Filter を用いたMEG解析」
  • 小河 正一 「脳磁場計測による照明変化応答に関する研究」
  • 工藤 慎太郎 「バイスペクトルを用いた集電線接触力信号解析」
  • 下井 利彦 「ヒト運動末梢系における運動単位筋電位の相関解析」
  • 田沼 智宏 「ヒト聴覚皮質における長潜時応答活動源の周波数依存性」
  • 寺村 直道 「神経伝導速度分布の推定法」

進路

松下電器,旭化成,三菱電気,慶應義塾大学大学院理工学研究科”

助成

  • 戦略的基礎研究推進事業「脳を創る」武田班「MEGによる人間の高次機能の解明」
  • 鉄道総合技術研究所 「バイスペクトルを用いた集電線接触力信号解析」
  • 慶応義塾学事振興資金 「ウェーブレット変換を用いた単一試行誘発脳磁界信号処理」

Dept. Applied Physics and Physico-Informatics