1.構成
助教授 内山孝憲
修士2年 大杉健司,秦昌弘
修士1年 石川大輔,大森克哉,小幡慎太郎
学部 市川雅英,小田部和孝,加藤亮子,古内寛康,水野雄介,村山大輔
2.研究成果
神経回路モデルの構築 -反回抑制-
ネコの腓腹筋を支配する神経回路モデルをについて,α運動ニューロンのsynchronizationとrecurrent inhibitionの関係について検討した.また,GUIによってパラメータを変更しながらsynchronizationを調べることができるシミュレータを開発した.
押し込み反力計測による筋の硬さ計測
触診を模倣するように,筋を押し込むときの反力と押し込み量の関係を計測した.等尺性収縮力と筋の硬さの関係を調べ,弾性の指標が等尺性収縮力に比例する関係があることが分かった.また,反復性収縮による筋疲労と筋の硬さおよび血流量の関係について調べた.
筋粘弾性の変化と収縮速度の関係
等速度で筋が収縮しているときにさらにランプ状に伸展することができる実験システムを用いて,筋収縮レベルと伸展によって発生する張力の関係を調べた.
小型筋硬度計の開発
AD変換器を内蔵するワンチップマイクロプロセッサを用いて,小型の筋硬度計を試作した.
痙性の定量的評価
片麻痺者を対象としてステップ上の負荷を足関節に付加して足関節を背屈するときの応答を計測した.弾性によるトルクを推定し,その過渡応答特性から,痙性を定量的に評価することを試みた.
座位・立位における痙性の評価の開発
フォースセンサとゴニオメータを用いて,座位や立位時に,肘関節を伸展・屈曲するときにトルクと角度を計測するシステムを開発した.
閾値以下電気刺激と視覚フィードバックを用いた治療システムの開発
市販の電気刺激装置とノート型PCを用いて,従来のように専用の付加回路を用いることなく,ソフトウエアのみでシステムを構築した.
加速度センサによる角速度計測の基礎的検討
加速度センサを2個用いて,剛体振子の加速度を求める方法について,基礎的な検討を行った.
3.発表論文・学会発表・特許申請など
論文
内山孝憲,西川龍朗,大西祥平:「電気刺激による筋張力と筋損傷の評価」,バイオメカニズム17,p. 57-68 (2004)
解説等
富田豊,内山孝憲:エクセルを使ったバイオメカニズムのための統計学 (1),バイオメカニズム学会誌,Vol. 28, pp. 92-96 (2004)
富田豊,内山孝憲:エクセルを使ったバイオメカニズムのための統計学 (2),バイオメカニズム学会誌,Vol. 28, pp. 155-159 (2004)
富田豊,内山孝憲:エクセルを使ったバイオメカニズムのための統計学 (3),バイオメカニズム学会誌,Vol. 28, pp. 221-225 (2004)
富田豊,内山孝憲:エクセルを使ったバイオメカニズムのための統計学 (4),バイオメカニズム学会誌,Vol. 29, pp. 47-51 (2005)
国際会議発表
T. Uchiyama, K. Ohsugi, M. Murayama: ‘Relationship between Muscle Hardness Estimated by the Indentation Method and Muscle Contraction Level’, Proc. 26th Ann. Int. Conf. of IEEE EMBS (2004)
口頭発表
内山孝憲,U. Windhorst:「ネコの腓腹筋を支配する運動神経プールのモデル -Renshaw細胞による反回抑制とmotoneuronのsynchronization-」,第19回生体生理工学シンポジウム(2004).
大杉健司,内山孝憲,村山光義:「押し込み反力計測による筋の粘弾性特性」,第24回バイオメカニズム学術講演会 (2004)
秦昌弘:「ヒト長母指屈筋における筋粘弾性調節機構の解析」,第25回バイオメカニズム学術講演会(2004)
4.学位論文(修士論文、卒業論文)
修士論文
大杉健司:押し込み反力計測による筋の硬さの評価 -等尺性収縮力依存性と疲労の影響-
秦昌弘:ヒト長母指屈筋における筋粘弾性調節機構の解析
卒業論文
市川雅英:閾値以下電気刺激と視覚フィードバックを用いた治療システムの開発
小田部和孝:運動神経系モデルによる運動神経の発火同期性解析
加藤亮子:上肢痙性における主観的診断法の定量化
水野雄介:加速度センサによる角速度計測の基礎的検討
村山大輔:筋の粘弾性に着目した足部痙性の定量評価法
5.進路
四国電力,横浜市役所,慶應義塾大学大学院,東京大学大学院
6.研究助成
科学技術研究費「ヒトの感覚機構を模擬する触覚センサによる筋の硬さ計測システムの開発」