高分子光学研究室/二瓶研究室


 一般的にレンズといわれると、球面の形状をしており、 曲率により光を曲げて集光するものがすぐに思い浮かびますが、 二瓶研究室では屈折率分布型レンズ(Graded index lens ; 以下GRINレンズ)と呼ばれるものを研究しています。 GRINレンズは従来の球面状のレンズのように曲率を有するものではなく、 端面が平らな円柱状の形をしており、 内部に形成されている屈折率の分布により集光させるという特徴を持っています。 下図を見ていただければ、従来のレンズとの集光特性の違いが分かると思います。 GRINレンズを用いることで光学系の枚数削減や、光学性能の向上といったことが期待されます。



 二瓶研究室では、新たなGRINレンズ作製法として、 自発的フロンタル重合法を提案しました。 自発的フロンタル重合法は屈折率分布を形成させるための新たな重合法であり、 蓄熱効果、ゲル効果、熱拡散の3つの要素から成り立っています。
 有機モノマーと低分子ドーパントの入った重合容器を恒温槽で加熱すると、 上記3つの要素の相互作用により、重合容器中心部からフロントと呼ばれる、 モノマーとポリマーの境界面が発生します。 フロントの周囲はゲル層となっているので分子サイズの大きい低分子ドーパントはゲル層に入れず、 周辺部へ押し出されることになります。ここで、用いるモノマーと低分子ドーパントの屈折率が異なれば、 重合体全体に屈折率分布を形成することが可能となるのです。
 この自発的フロンタル重合法を用いることで、 高精度なGRINレンズを作製し、コンタクトレンズや白内障治療のための人工水晶体への応用を検討しています。





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