研究概要(最近の業績はこちら)
 松本研究室は、センサ、集積回路、微細加工技術等の幅広い技術を融合させ小型・高精度なシステムの研究、開発を行っています。放射線計測センサ、モバイルセンシング、可視光通信などシステムの試作を進めており、社会のニーズに応じて共同研究を通して幅広いテーマに取り組んでいます。 最近では、温度、湿度、日照、気圧、PM2.5、放射線量などを計測するセンサとマイコン・無線を組み合わせた環境計測に関する研究に関心があります。

IoT環境計測機器と可視化システムに関する研究
 環境情報をセンサ・IoT技術により測定・収集して、クラウドサーバー上でデータ収集と可視化を行うシステムをハードウェアおよびソフトウェア両面から研究しています。
 湿度・可燃性ガス・PM2.5・CO2センサを5分〜10分に1回間欠的に送信するマイコンシステムの構築、屋外の場合は太陽電池と充電システムと組み合わせています。データは、数値・グラフなどを表示するプログラムをクラウド上で動かして表示させています。
IoT放射線モニタリングシステムの構成図
クラウド上でのデータ可視化例

低消費放射線センサとタブレット式放射線測定ロガー
 逆電圧を印加した大面積PINフォトダイオーに放射線が当たると微弱電流が発生します。これをチャージアンプ、シェイプアンプ、比較器の構成の検出回路でパルス電圧に変換します。低消費電力化のため低電圧低消費演算増幅器・コンパレータを利用して放射線測定ボードを製作しています
 一方、 CMOS集積回路によりチャージアンプ、シェイプアンプ、ポストアンプ、コンパレータを集積化した専用集積回路も開発を進めており電源電圧5Vで消費電流0.4mAと上限使用温度60℃程度を実現しています。このセンサの信号をスマートフォン内蔵のGPSモジュールの位置情報と同時に取得しながら定期的な記録(ロギング)するシステムを作っています。
放射線検出システムブロック図
放射線検出センサボードの写真
放射線検出集積回路の写真 タブレット型放射線ロガーの写真

可視光通信
 LEDを変調させてテキストデータや画像ファイルを送る可視光通信用の集積化受光素子、受信ソフトウェアの開発に取り組んでいます。
 可視光通信では、送信源となるLEDが複数ある状況や背景光がある状況が考えられますが、この状況での混信を防ぐためフォトダイオードアレイを用いた受光素子を試作しました。レンズによってアレイ状の受光素子に対象物を結像させてその光のうち所望の信号成分が当たっている素子出力のみを取り出す事で混信を防いでいます。
 どの素子に信号送信源の光が当たっているのかは受光素子と並列に並べたCMOS 撮像素子の出力画像をソフトウェアで処理することによって信号送信源を特定しています。このような2眼レンズ光学系と画像処理により効率よく信号を受信できるシステムを開発しています。

集積化受光素子を用いた2眼システムによる可視光通信の概念図

可視光IDにもとづいたテキストデーの受信結果

無線技術とセンサの融合
 現在、モノのインターネット「IoT(Internet of Things)」やTrillion Sensorsと呼ばれる動きが進んでいます。これはモノや多数のセンサがコンピュータにつながり医療・ヘルスケア/流通・物流/農業/社会インフラに大きな影響を与え,ビッグデータを通して社会や生活を大きく変えるという考えです。本研究室では、そのために必要なセンサと無線モジュール(2.4GHz帯域を用いたXbee,Bluetooth,WiFi,920MHz無線モジュール)の融合、応用を行っています。

バッテリ駆動の無線式測定モジュールの写真
共同研究中の太陽電池駆動無線式測定器

Zigbee Series 2を用いた、放射線、温度、湿度、光量測定・データ収集ソフトウェア

微細加工を用いたバイオ部品
 3次元微細加工や微細ダイヤモンド加工を用いてバイオ解析用センサを研究しています。遺伝子解析の際の遺伝子複製の高速や液体の成分解析装置などを他の研究室と共同で開発しています。

一滴の液体から成分を分析するシステムの概念図

セラミック基板上のダイヤモンド薄膜微細電極センサ

システムLSI
 アナログ回路に重点をおいて、センサや医療など特定用途の専用LSIを設計しています。
業界標準の回路シミュレーション、CADソフト等を用いて設計して、各種マルチチップサービス(VDEC、Phenitec) を用いて試作後、その評価を行います。これまで0.35ミクロンCMOSと0.6ミクロンCMOS技術で、POF・可視光通信、放射線検出回路、温度センサ・低電圧増幅器などのLSIを製作しました。

LSI設計統合CAD
POF・可視光通信用LSI
センサ用信号検出LSI LSI評価用基板