2001/10/8(Mon.)の日本経済新聞 (画像) top
スパコンで1000億年の処理,わずか数分
量子計算機開発 日米産学で始動
最高速のスーパーコンピューターでも一千億年かかるような暗号解読をわずか数分でやってのける未来の計算機,量子コンピューターの開発を目指して,日本の大学や企業による共同研究が相次いで始動した。実用化は二十一世紀半ばになるとみられるが,そろばんしかない世界にスーパーコンピューターが登場するような計算革命が起き,科学や軍事に大きな変革をもたらす。
基礎研究,10年単位
米スタンフォード大学などの産学協同チームは特殊なシリコン材料を使って量子コンピューターを作る研究に着手した。山本喜久スタンフォード大教授が中心となり,慶應義塾大学が材料開発,米ハーバード大学が量子計算の理論作り,NTTが制御装置開発,スタンフォード大がコンピューター作製を分担する。
研究資金は米国防総省高等研究計画局(DARPA),日本の科学技術信仰事業団などが出す。まず十年で大規模計算ができる実験装置を作る。
一方,東芝は同社研究開発センターの市村厚一主任研究員が光を使って計算過程を制御する量子コンピューターの新アイデアを考案し基礎的な実験に成功したことから,その実現のためチームを組んで進める。二十ビット以上を数年以内に作り実現に弾みをつける。
スタンフォード大などの共同チーム,東芝とも最終的には数百ビットの計算ができる実用レベルの計算機の実現が目標だ。
スタンフォード大などが目指す基本阻止はシリコン結晶の中に同位体のシリコン29(性質は同じだが若干重いシリコン)の細線をたくさん作った構造。シリコン29原子核の自転(スピン)の向きを磁場でコントロールして計算する。東芝の素子は透明材料中に混ぜたプラセオジウムイオンの原子核スピンをレーザー光によって制御する仕組みだ。
2001/9/20(Thu)の日経産業新聞 (画像) top
「21世紀の気鋭」
新半導体材料を創造
チップ速度を100倍に
17歳のときに父の考案で実用新案を出願したことがことがある。十八年後に慶應大学の講師となった伊藤公平は大学の技術移転機関(TLO)を通じて海外企業に研究成果を移転した初の研究者となった。移転したのはシリコンを同位体ごとに周期的に積み薄膜を作ることにより、電子の移動の妨げになる格子の振動を打ち消す。これを電子デバイスに応用すれば動作が格段に速くなるだろう,というアイデアだ。
このアイデアに行き着いた時「待っていたら先を越される」と考えた伊藤は当時設立されたばかりのTLOに相談し、大学の研究者では珍しく特許を取得した。この判断は正解だった。アイデア段階の技術に日本企業の反応は鈍かったが豪の企業サイレックス・システムズが担当者を派遣し、伊藤と慶應TLOから特許の使用権を獲得した。サ社は「この技術でチップの動作速度を現在の100倍(100ギガヘルツ)に高められる可能性がある」と発表した。海外でも類似の特許が出ており競走が激しくなっている。
伊藤とサイレックスは近く材料の作成に向けた共同研究を始める。伊藤は三年前に科学技術振興事業団が優れた若手研究者に助成する「さきがけ21」の対象に選ばれて以来、この獲得した助成金により慶應の真新しい研究棟に研究室を構えた。さきがけの助成はこの秋で終わるがサイレックスとの共同研究のため研究室は継続して使用できる。
伊藤が同位体研究にのめり込んだのは時代が生んだ偶然だった。伊藤がカリフォルニア大学バークレー校に留学した80年代末、冷戦終結時の旧ソ連の核物質分離施設を平和目的に転用する気運が高まっていたところへ伊藤の指導教授がこの施設を使って半導体材料の同位体を分離することを考えつき,得られた材料の測定が伊藤の仕事になった。伊藤は送られてきたゲルマニウム同位体をさまざまな割合で混ぜ合わせ熱や電気の伝導を調べた。また同位体を用いて金属が絶縁体になる現象を精密に測定する手法を確立し、学界から注目された。
慶応大に赴任してからはシリコンのある同位体のみを非常に高純度に含む単結晶の作製に成功した。「良い結晶ができれば面白いことがどんどん分かってくる。」今回サ社に移転したアイデアもこうした研究の延長だ。物理学者として足場を築きつつ,産業界とも連携、技術移転で得た資金でさらに研究を発展させる。伊藤は新世代研究者の旗頭だ。
リアルタイムで受講生アンケート
「携帯」で講義が変わる
私語が少ないと思ったら学生は携帯電話の操作に夢中 − そんな講義風景が大学では広がっているというが,ならば携帯電話を逆に講義の質向上に利用してしまおうという試みが,東京・丸の内の「丸の内シティキャンパス(MCC)で行われ,成果を上げている。
「さて,ここまでは理解できましたか」。MCCの講座の一つで、半導体について講義する慶応大理工学部の伊藤公平講師が呼びかける。スクリーン上には「とてもよく理解できた」四人,「だいたい理解できた」一人,「ちょっと難しい」二人などと表示された。十人の受講者が,携帯電話を使って回答した結果だ。講義はこうした反応を取り入れながら進行する。
MCCは,慶応大の関連組織,慶應学術事業会が社会人向けの教育施設として。今年四月にオープンした。このアンケートシステム「アイ・フィール」は、iモードの仕組みを利用し,画面で選択肢を選び入力すると,結果が即座に集計されるもの。同講座のプログラムディレクターを勤める石井威望・慶応大大学院客員教授の研究室が開発した。
この日のアンケート11項目に受講生は進行予定表に記されたタイミングで回答する。 その狙いは「リアルタイムでアンケートを取ることで,聴衆の様子をみながら話の内容を変えるというプロの話し手の技に近づくことができる」(石井教授)ことだ。 受講生にとっても、全体の中での自分の位置がわかることが安心や発奮の材料になり、このシステムは好評だ。
一方,講師は受講者の反応に柔軟に対応できるように講義のシナリオもいくつか用意しなければならないが、石井教授は「高額の料金を払って聴きに来てくれる受講生に対し,最高の講義を準備するのは当然」という。その上、講師は評価もリアルタイムで受けているようなもので大変に見えるが、伊藤講師は「きちんと反応が返ってきて張り合いが出る。大学でも使ってみたい」と“真剣勝負”を歓迎する。
同講座ではさらに,音声や文字で内容を中継するといった実験もしている。これまでのところ画面で小さな文字を追うよりも音声で聞くほうが良いとの結果が出ている。将来は次世代携帯電話で動画伝送も試してみたいという。
「生涯学習の広がりで,さまざまなレベルの人たちが学ぶようになってきている。受講生の反応を確実につかみ,より良い講義にするための道具として、携帯電話は高い潜在能力を持っている」と石井教授は話す。
携帯電話とモバイル技術がここまで普及しているのは世界でも日本だけ。知恵を絞れば,いくらでも便利な使い方ができそうだ。
2000/10/23(Mon)の日本経済新聞 (画像) top
海外企業に技術移転術
高速半導体、TLO通じ
慶応義塾大学は技術移転機関(TLO)の慶應義塾大学知的資産センター(東京)を通じて、低消費電力での高速処理が可能な新型半導体の技術をオーストラリアの企業に移転した。産学提携を後押しするTLO制度で研究成果を海外企業に供与するのは初のケース。慶応大は移転先企業と実用化に向けた共同研究を近く始める。
移転したのは、理工学部の伊藤公平専任講師が考案した新しいシリコン半導体基板の製造技術。三種類あるシリコンの同位体(化学的性質は同じだが質量の違う原子)を高純度に精製し、薄い膜にして積み重ねることにより、高性能の半導体基板を作る。半導体材料や放射性物質を製造しているサイレックスシステムズ社が実用化を進める。
同社は放射性同位体元素の分離技術に蓄積があり、伊藤講師が考案した技術をもとに基板を試作する。慶応大も協力して基板の性能を試験し、技術の改良を共同で進める計画。新基板は電子を流しやすく、発熱量が現在の半分以下になるため、省エネで高性能の大規模集積回路(LSI)を開発できる可能性がある。
TLOは大学で発明された技術やノウハウを企業にあっせんして実用化を促す組織。1998年8月に施行された「大学等技術移転促進法」に基づき、国が助成金などで活動を後押ししている。これまでに東京大学や京都大学など主要大学に付随する形で16のTLOが誕生、中堅・ベンチャー企業を中心に30件の技術移転契約が成立している。
2000/10/13(Fri)の日刊工業新聞 (画像) top
量子コンピュータ技術
豪サイレックス社に移転
慶応大学知的資産センター(IPC)は国内の技術移転機関(TLO)で初めて外国企業への移転契約が成立したことを明らかにした。伊藤公平理工学部専任講師が発明した量子コンピュータにつながるシリコン同位体半導体超格子技術を豪州の研究開発会社のサイレックス社に譲渡した。これによりIPCの移転実績は8件、契約頭金などの累計収入はトップクラスの1000万円超となった。
同社はウラン同位体元素の分離・濃縮技術が強く、世界トップのウラン濃縮会社に技術供与の実績がある。シリコンの場合は三つの同位体のうち、1種類の純度を高めると、核スピンの状態が変わって高速コンピュータ用の材料に適するとみられている。この分野の開発に取り組み始めた同社が慶応大に問い合わせ、3週間で契約が成立した。
IPCはサイレックス社の要望に応じ、技術ライセンスではなく、知的資産センター所有の日本国内特許と、未出願だった海外における権利を譲渡。移転契約は一時金と売上高に応じたロイヤルティー収入の2本立てで、さらに2年間の共同研究も決まった。
TLOとの契約に慣れている海外企業は技術移転の意思決定が早く、移転後の技術の波及も広い。このためTLO側の収入も高くなる期待がある。実際にIPCはもう一つ海外企業を移転候補とする案件を持ち、また東京大学の先端科学技術インキュベーションセンターも海外企業との交渉が進んでいるという。日本のTLOも国際化ステージに入ったといえそうだ。
2000/1/31(Mon)の日本経済新聞 (画像) top
先端人 難関突破支えた留学体験
シリコン同位体を高純度化
どんな元素にも、基本的な性質は同じだが重さが異なる同位体と呼ばれる「兄弟分」が存在する。自然状態では全シリコン中に約92%含まれるシリコン28を99.92%の割合まで高めた高純度のシリコン同位体の単結晶をロシアのクルチャトフ原子力研究所と共同開発した。
この単結晶は熱伝導率が非常に高く、発熱を抑えるのが実用化のカギとされる超高速LSI(大規模集積回路)への応用が期待される。また、け外れに計算スピードが速い量子コンピュータの実現にも同位体純度を高めた材料が必要とされる。「同位体は必ず次世代の主要技術になる」とみて、「半導体同位体工学」と自ら名づけた新研究領域を提唱する。
高純度シリコン同位体はこれまで実現が難しいと考えられてきた。大学院時代に米国に留学、日本の大学に比べてはるかに厳しい競争環境で学んだチャレンジ精神が難関突破に役立ったという。決め手は超伝導という異分野の研究者の協力。高温超伝導体の結晶作りのノウハウが参考になった。
研究の過程で、ロシアで作った貴重な素材を日本に運ぶのにロシア人科学者が「運び屋」を務めた。彼が手土産に持ってくるウオツカが楽しみ一つだったという。東京都出身。34歳。
2000/1/26(Wed)の半導体産業新聞 (画像) top
研究開発・新技術
28Si高純度単結晶成長に成功 将来のLSI基板材料へ
慶應義塾大学理工学部専任講師・伊藤公平氏(科学技術振興事業団さきがけ研究21研究員兼任)のグループは、28Si安定同位体純度を99.92%まで高めた半導体シリコンバルク単結晶の成長に世界で初めて成功した。28Siバルク単結晶の熱伝導度は、通常のSiと比較して室温で60%、100℃で40%向上すると予想され、将来のLSI基板材料として大きな期待が寄せられている。
近年、LSI等の高集積化・高消費電力化に伴い、電子材料内部に発生する熱を効率的に放熱する方法の開発が急がれている。これまでのサーマルマネージメント技術は放熱板や空冷ファンを用いた放熱効率の向上に重点が置かれてきた一方、電子回路が作製されるシリコン基板自体の熱伝導度を向上させるというアイデアがほとんど検討されてこなかった。しかし高集積化が進むシリコンLSI回路では、基板であるシリコンウエハー内に熱がこもる傾向があり、シリコン基板そのものの熱伝導度を向上させることが望ましい。そこで伊藤氏らはシリコン中の同位体純度を高めることによって熱伝導度大幅に高めることを提案し、今回の実験に取り組んだ。
地球上の存在するシリコン中には、28Si、29Si、30Siの3種類の安定同位体が存在し、その組成比は92.2%(28Si)、4.7%(29Si)、3.1%(30Si)と常に一定である。従来シリコン中の同位体組成を変化させて「質量分布」や「核スピン分布」などの特性を制御した例は極めて少なく、今回の伊藤氏の研究はまさに世界に先駆けた研究成果である。
今回伊藤氏らの研究に用いられたSi安定同位体材料はロシアのクルチャトフ原子力研究所との共同研究提携を通じて入手したもの。冷戦終結後、旧ソ連に存在したウラン・プルトニウム核燃料分離施設の多くはその存在目的を失ったが、これらの施設の平和利用促進の一環として伊藤氏らは、GeおよびSi半導体の同位体の分離をロシア・クルチャトフ原子力研究所に依頼した。
実験の結果、得られた半導体シリコンバルク単結晶は、現在話題となっている量子コンピューターというコンセプトを実現する必要不可欠な材料としても注目される。この量子コンピューターとは物理学の分野においては量子力学の根底の検証を可能とする実験として、また計算科学の分野では超高速計算を実現するコンピューターとして期待されているものである。
現在提案されている量子計算のアイデアは、Si単結晶中に添加されたリンの核スピンを制御するという画期的なものである。Siの3種類安定同位体のうち唯一核スピンを有するのは29Si。リンの核スピンを正確に検出するには、制御されたリンの核スピンが計算中に動くことを防ぐため29Siを結晶中から取り除くことが望ましい。よって今回のように結晶中の29Si比を抑えた素材は、まさに量子コンピューター実現の第一歩ともいえるのである。
1999/12/20(Mon)の日本経済新聞 (画像) top
高純度シリコン単結晶
慶大など 超高速LSI材料に
慶応大学とロシアのクルチャトフ研究所の共同研究チームが、純度の極めて高い究極のシリコン単結晶を作り出すことに初めて成功した。単結晶の純度は99.92%と高く、スーパーコンピューターでも数十億年かかる計算を瞬時にこなす量子コンピューターや超高速大規模集積回路(LSI)などを実現する材料として役立ちそうだ。
クルチャトフ研究所は旧ソ連の核開発をリードしてきた研究所。今回、核燃料のウラン濃縮などに利用した軍事用の遠心分離機を転用することで、自然界に3種類存在するシリコンのうち、最も多い原子量28のシリコン粉末を高い純度で作ることに成功した。
慶大理工学部の伊藤公平講師はこの粉末をゴム管に詰めて圧縮した後、過熱して棒状の単結晶を作ることに成功した。これまで粉末から単結晶を作るのは難しいといわれていたが、ハロゲンランプを使って熱するという超電導体の製造技術を活用することで99.92%の単結晶を作ることができた。従来の単結晶の純度は92.2%だった。
シリコン単結晶は現在のシリコンより60%熱を伝えやすいという。LSIを高速化するには高い電圧をかける必要があるが、熱が出るため限界があった。熱が逃げやすくなることで、従来より高い電圧がかけられるようになり、高速化が実現するという。
また、量子コンピューターはシリコン単結晶に加えたリンの原子核のスピン(回転)を利用することなどで実現できるとされている。しかし、従来のシリコン単結晶は純度が低かったため、シリコン自身の核スピンをうまく検出できないとされていた。
今回作ったシリコン単結晶は純度が高いため核スピンがなく、量子コンピュータ用の材料に適しているという。
1998/11/18(Wed)の日本工業新聞 (画像) top
ここがポイント私の研究
元素中の同位体に注目 超高速LSIを実現へ
限られる研究者
―― 半導体材料の組成を制御して、超高速LSIを実現する新しい半導体材料設計に取り組んでいる。
伊藤 半導体材料のデザインで新しい機能を持つICやLSIを開発しようという方向はいくつかあるが、これまでは半導体中の不純物の含まれ方で物性が変わることに注目したものがほとんどだった。これに対して現在進めている研究は半導体の元素の中に存在する二種類以上の同位体に注目し、物性研究やデバイス開発の目的に応じて半導体試料中の同位体組成を制御しようというものだ。
―― 同位体とは。
伊藤 例えば、もっともポピュラーなシリコン(Si)では、28Si、29Si、30Siという3種類の安定同位体が必ず92.2%、4.7%、3.1%の比率で存在する。これは同一の原子番号をもつシリコンでも中性子の数に注目すると14、15、16の3種類が存在するため。W族、V-X族、U-Y族、T-Z族半導体構成するさまざまな元素をみると、アルミニウム(Al)とヒ素(As)を除くすべての元素が2種類以上の安定同位体によって構成されていることがわかる。
―― 異なる安定同位体では物性がどう違うのか。
伊藤 中性子の数が異なるので、まず格子点の質量が変わる。核スピンの数が違うため、電子スピン共鳴や核磁気共鳴などの物性も大きく変化する。また、異なる安定同位体を組み合わせて、組成を制御する「半導体同位体工学」では、構成原子の質量分布や核スピンの濃度と分布を制御できるようになる。それによって、格子振動(フォノン)や熱伝導、格子定数、体積弾性率などの異なる半導体を創製できる。
高集積化も進む
―― この領域の研究者はどのくらいいるのか。
伊藤 私の共同研究者が海外ではカリフォルニア大学バークリー校やドイツのマックスプランク国立研究所にいるが、国内ではわたし以外は知らない。研究用に必要な単一同位体で構成された半導体を得ることが極度に難しいので、どうしても研究者が限られてしまう。Siの例では、28Siと30Siとの質量の差は7%弱だが、質量がわずかしか違わない同位体の大量分離には、ウランなどの核燃料を分離する大型ガス遠心分離施設が必要となる。民間で利用できる施設はないので、研究者は個人的ルートでロシアの施設から供給してもらっているのが実情。
―― 高価な同位体で、どのような応用が期待できるのか。
伊藤 第一目標は熱伝導度の高いSi同位体ウエハーを作成し、LSI基板として利用すること。LSIを高集積化していくと、熱対策が大変。これは、パソコンの空冷ファンの存在でもわかる。熱伝導度の高いLSI基板ができればLSIの高集積化はもちろん、高密度実装基板も可能になるので、将来はガリウムヒ素(GaAS)と同等のスピードをもつSiLSIを実現できる可能性もある。現在のシリコンテクノロジーをそのまま使えるので、高集積化も同時に進む。
≪いとう・こうへい≫89年慶大理工学部計測工学科卒。94年カリフォルニア大学バークリー校材料科学博士課程終了、慶大理工学部計測科助手。98年理工学部専任講師。国内では唯一の「半導体同位体工学」の研究者。33歳。東京都出身。