2007年度 足立研究室

■構成

教授

足立修一

大学院(2名)

大明準治(D2),服部泰治(M1)

学部(6名)

上間裕二 ,大室 篤,河原井瑛子,大甲真嗣,平尾朋子,室井秀夫

■研究概要

当研究室では 「モデリングと制御 (modeling and control)」に関する研究を行っています。制御とは,対象のダイナミクス(動き,動特性,力学)を望みどおりにアクティブに変化させるもので,われわれの日常生活のさまざまな場面で制御は大活躍しています。たとえば,部屋の室温をエアコンで調節することも制御ですし,ロボットの中にも制御の考え方はたくさん入っています。また,最近の自動車は電子制御の力なしでは動くことができないでしょう。制御理論とは,日常生活で何気なく利用している制御の考え方を一般的に体系化した学問のことです。制御理論を適用するためには,対象のモデリングが必要不可欠であり,本研究室では実験データに基づいた有力なモデリング法であるシステム同定についても研究しています。
主な理論研究テーマを以下に列挙します。

(1) システム同定理論 
① バイナリシステム同定 : 2値しか測定できないバイナリセンサを用いたシステム同定
② ΣΔ変換を用いたシステム同定 : ディジタル信号処理とシステム同定理論の融合領域
③ 実用的なシステム同定理論 : ASYM法(漸近的推定法)

(2) 非線形・非ガウシアン最適フィルタリング理論
① シグマポイントカルマンフィルタ(Sigma-Point Kalman filter:SPKF)
② 粒子フィルタ (particle filter)

(3) 制御系設計理論
① モデル予測制御
② ロバスト制御

さまざまな対象に対して制御理論を適用できますが,本研究室では以下に示すテーマを通して制御理論の研究を進めています。

(1) 自動車
① エンジンのモデリングと制御
② アクティブノイズコントロール

(2) ロボット
① シリアル2リンク2慣性系のモデリングと制御
② e-nuvo WALK, e-nuvo WHEEL を用いたモデリングと制御実験

(3) 鉄鋼
① スケジューリングと制御のハイブリッド最適化(日本鉄鋼協会研究会研究テーマ)

(4) 精密機器
① 複写機のモデリングと制御

これらの研究の一部は企業との共同研究であり,最新の実験装置を用いて制御理論の産業応用研究を行っています。

■学位論文

学士論文

  • 上間裕二:摂動法に基づくアクティブノイズコントロールシステムの設計法
  • 大室 篤:ダイレクトドライブアームを用いたビジュアルフィードバックによる倒立振子の制御
  • 河原井瑛子:二輪型倒立振子システムのモデリングと制御系設計
  • 大甲真嗣:システム同定理論の超音波ドプラ診断装置への応用
  • 平尾朋子:システム同定理論を用いた時系列解析とそのタイヤ内圧低下推定への応用
  • 室井秀夫:高次ARXモデル推定に基づくシステム同定法

■進路

慶應義塾大学大学院理工学研究科進学 5名
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科進学 1名

■発表論文・学会発表・特許など

論文

  1. 高梨宏之,足立修一:システム同定支援装置のインターフェースの開発,電気学会論文誌D, Vol.127, No.4, pp.412-419 (2007)
  2. 平田光男,萩原 努,岡本仁史,足立修一,長村謙介,小林真也:バネ結合リ ンク付シフトレバーのH∞パワーアシスト制御,電気学会論文誌D, Vol.127, No.11, pp.1133-1140 (2007)
  3. 橋本誠司,奥田裕之,岡田康志,足立修一,丹羽伸二,梶谷満信:一般化予測制御に基づくエンジン制御系の二段階設計法,電気学会論文誌D, Vol.128, No.3, pp.251-258 (2008)

解説

  1. 足立修一:《コラム:制御の教え方を訪ねて》 制御工学に関する私見, 計測と制御,Vol.46, No.9, p.717 (2007)
  2. 足立修一,廣田幸嗣:モービル・パワー・エレクトロニクス(最終回)  多様な専門技術を結集する全体設計 モデリング手法の活用がカギ,日経エレクトロニクス,2007年12月3日号
  3. 足立修一,橋本誠司:自動車パワートレイン制御におけるシステム同定への期待, 計測と制御 特集 エンジン・パワートレイン制御理論と技術の最前線,Vol.47, No.3, pp.202-205 (2008)

学会発表

  1. 大明準治,足立修一:シリアル2リンク2慣性系の物理パラメータ同定,ロボティクス・メカトロニクス講演会2007 (秋田拠点センターALVE) (2007.5.)
  2. 高橋憲介,足立修一:バイナリデータを用いたシステム同定, SICE 第36回制御理論シンポジウム,pp.161-166,札幌 (2007.9)
  3. 大明準治,足立修一:シリアル2リンク2慣性系の非干渉化同定と物理パラメータ推定,SICE 第36回制御理論シンポジウム,pp.177-182,札幌 (2007.9)
  4. 瀬戸山明雄,平田光男,足立修一,坂庭 浩:一本レール型いす式階段昇降機の2自由度スライディングモード制御,第8回SICE制御部門大会,京都大学 (2008.3)
  5. 服部泰治,足立修一:UKFによる未知非線形アクチュエータにより駆動される非線形システムの同時推定,第8回SICE制御部門大会,京都大学 (2008.3)
  6. 大明準治,足立修一:物理パラメータ推定に基づくシリアル2リンク2慣性系の非干渉化オブザーバ,第8回SICE制御部門大会,京都大学 (2008.3)

招待・依頼講演 (足立)

  1. SICE セミナー 「制御のためのシステム同定」,東京電機大学 (2007.4)
  2. RACOT研究会 「システム同定の基礎とコツ」,九工大 天神サテライトキャンパス (2007.6)
  3. TOYOTA Model Simplification Workshop : Model Simplification View from System identification, Higashifuji Technical Centre,  Toyota Motor Corp. (2007.10)
  4. SICE関西支部 チュートリアル講演会 「システム同定の基礎」,神戸大学 (2007.11)
  5. SICE セミナー 「制御のためのシステム同定 in 中部」,名古屋大学 (2007.11)
  6. 平成19年度 第4回制御技術部会研究会 「周波数領域におけるシステム同定精度の考察 」, 計測自動制御学会 (2007.11)
  7. 東芝メディカル講演会 「制御工学とシステム同定 -MATLABを用いた信号処理と制御理論-」,大田原 (2007.12)
  8. 新日鐵応用工学講座 「高度制御技術(統計的学習理論とシステム同定)」,新日鐵代々木研修センター (2008.3)
  9. カルソニックカンセイ セミナー 「カルマンフィルタ入門」,佐野テクニカルセンター (2008.3)

■受賞

足立 修一 : 2007年 (社) 計測自動制御学会著述賞 「モデル予測制御 - 制約のもとでの最適制御 –

研究助成

  • 科学研究費補助金:低分解能なAD変換器を用いたシステム同定に関する研究,基盤研究(C)(一般)
  • 日本鉄鋼協会:オンライン最適化技術を核とした次世代鉄鋼プロセス制御,指定寄付金

Dept. Applied Physics and Physico-Informatics