2002年度 本多研究室

構成

教授 本多 敏

大学院
大川 晋平(M2)
小河 正一(M2)
工藤慎太郎(M2)
田沼 智宏(M2)
青山 敦(M1)
井上 剛(M1)
加藤 隆志(M1)
今 修平(M1)

学部
鎌本 優(B4)
真崎 祐一(B4)
矢野 亨(B4)

研究成果

「逆問題とプロセストモグラフィ」

神経線維伝導速度分布の推定法,MEG(脳磁界)信号処理法など生体電気磁気現象の解析や逆問題解法の研究と,管内流速分布を電磁誘導信号処理により推定するプロセストモグラフィの研究を継続している.電磁流量計は種々の流速分布に対して可能な限り平均流量に比例した誘導信号が得られるように磁界が設計されているが, 理想的な磁界が存在しないことがすでに分かっている. 逆に磁界を変動させることによって流速分布が推定できることが報告されている. 本研究の目的は,2次元的な解析原理を発展させ3次元解析を提案し, 3次元的な流速分布の再構成を目指す.数値シミュレーションを用いて再構成を行った.

「ウェーブレット変換を用いた単一試行誘発脳磁界信号処理」

誘発脳磁界計測では,多数回の刺激結果を加算平均することが必要となるが,MEGの高時間分解能という特性をいかすためには,個別の誘発脳磁界を検出することが望ましい.本来非定常な脳活動成分を雑音成分から分離するためにウェーブレット変換を,AEFデータ処理へ適用した。630回の加算平均データを本来の誘発脳磁界信号として,それをもとに作成した非定常フィルタの作成法を検討し設計パラメータを自動調整するアルゴリズムを開発した.それにより数回ごとの誘発信号成分を分離することができた.

“MEG Analysisi with New Spatial Filter”

MEG の高い時間分解能を活かすために時系列データを用いずに解析を行える可能性がある空間フィルタによる方法が注目されている.しかし,従来の空間フィルタは深さ方向の推定精度が著しく低く,実用に向けて改善が必要である. 本研究では空間フィルタによるMEG 解析の問題点を改善するためにKullback-Leibler 情報量を用いた新しい空間フィルタについて検討した.その結果最適化の方法や,分布}の与え方について工夫すると同時に,より効率的な新しい評価関数についてもさらなる検討が必要であることが明らかとなった.

「集電接触力信号解析」

電車の高速化において,その動力となる電力を確実に供給することは重要であり,パンタグラフ・トロリ線間の接触性能の評価は集電系の管理,保全に不可欠であると言える.接触力が精度よく測定できるようになってきているが,測定されたデータは解析方法が確立されていないため,電車線の保全に活用されていない.そこで本研究では接触力測定による架線状態の推測,診断の基礎研究として短時間フーリエ変換(STFT)と連続ウェーブレット変換を用いた接触力信号解析による接触力変動の解析を行った.加算平均した接触力信号のバイスペクトルから分離した径間周期の接触力周期信号を正常時の接触力変動とし,それをもとにアナライジングウェーブレットを作成し,接触力信号をウェーブレット変換することで電車線診断が行える可能性を示唆する結果を得た.

発表論文・学会発表など

論文

  • N.Yoshida, Y.Tomita, S.Honda, E.Saitoh,
    Functional Neuromuscular Stimulation for articular angle control with an
    Inverse Dynamics Model tuned by a neural network,
    Ergonomics, vol.45, no.9, 649-662, 20002

国際会議発表

  • Takayuki Katoh, Satoshi Honda,
    3-D Flow Tomography with Electromagnetic Flowmeter,
    Proc. SICE ANNUAL CONFERENCE 2002, OSAKA, 2002
  • Hiroharu Endoh,Yutaka Tomita,Satoshi Honda,
    Evaluation of Single Fiber Action Potential with Semi-infinite Volume Conductor Model,
    Proc. SICE ANNUAL CONFERENCE 2002, OSAKA, 2002
  • Shintaro Kudo,Satoshi Honda,Mitsuru Ikeda,
    Contact Force Signal Analysis of Current Collecting with Bispectrum
    and Wavelet,
    Proc. SICE ANNUAL CONFERENCE 2002, OSAKA, 2002

学位論文

博士論文(副査)

  • 湯浅久利
    “Hopf-equivalences and centralizers of topological dynamical systems”
    (基礎理工学専攻)

修士論文

  • 大川 晋平
    “MEG Analysis with New Spatial Filter”
  • 小河 正一
    “Noise Temporal Information Incorporated MEG-MUSIC Algorithm”
  • 工藤慎太郎
    “Overhead Line Diagnosis by Contact Force Signal Analysis of
    Current Collection”
  • 田沼 智宏
    “Elimination of Spontaneous Field by Fixed Point Analysis”

卒業論文

  • 鎌本 優 「運動神経活動電位の同心円能動電極を用いた非侵襲計測」
  • 真崎 祐一 「刺激間隔変化による聴覚誘発磁場への影響評価」
  • 矢野 亨 「視覚サイモン課題時のfMRIによる高次脳機能計測」

進路

  • 慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程
  • 旭化成
  • 松下通信
  • NTTデータ
  • 東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻
  • 慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻 2名

助成

  • 戦略的基礎研究推進事業「脳を創る」武田班「MEGによる人間の高次機能の解明」
  • 平成14年度科学研究費補助金基盤(C)「非定常流速分布計測のための電磁誘導型プロセストモグラフィに関する研究」
  • 鉄道総合技術研究所 「バイスペクトルを用いた集電線接触力信号解析」

Dept. Applied Physics and Physico-Informatics