カーボンナノチューブをテンプレートとした世界最小クラスの超極細超伝導ナノワイヤーを実現-様々な材料系で超伝導量子デバイスをシリコンチップ上で作製可能に-(牧英之准教授)

慶應義塾大学理工学部の牧英之准教授らは、国立研究開発法人物質・材料研究機構、国立大学法人群馬大学と共同で、カーボンナノチューブをテンプレートとして、世界最小クラスの超極細超伝導ナノワイヤーを実現し、シリコンチップ上でのデバイス化によって、微小な超伝導体で現れる特異な超伝導現象の観測に成功しました。この超伝導ナノワイヤーをデバイス化したところ、低温にするほど超伝導状態が壊れる現象(超伝導-絶縁体転移)や磁束がナノワイヤーをトンネルする現象(量子位相スリップ)など、特異な超伝導現象の観測に成功しました。今回、超伝導デバイスで実用化されている窒化ニオブ超伝導体でナノワイヤーの作製に成功したことや、シリコンチップ上で電子デバイス化にも成功していることから、量子ビットや超高感度光検出器といった新たな超伝導量子デバイス応用が期待されます。

本研究成果は、2016年5月31日(現地時間)に米国物理学会誌「Applied Physics Letters」のオンライン版で公開されました。

詳細は、牧研HPへ